データサイエンティスト上がりのDX参謀・起業家

データサイエンティスト上がりのDX参謀・起業家のブログ。データ分析や事業について。自身はアーティスト、経営者、事業家。

疫学の始まり:ジョン・スノウのコレラ研究とデータの重要性

久しぶりにブログを書きます。コロナが広まり、なんとか被害を少なくするために、疫学という学問が活用されています。疫学は医療系のデータを扱う統計学で、1800年代にジョン・スノウという研究者の研究が始まりと言われています。私は東京大学の健康科学科と大学院時代に専攻していました。

 

イギリスでコレラが流行したとき、コレラがどうして起こるのか何も分かっていませんでした。空気感染じゃないかと言われていましたが、同じ地域に住む人でも非感染者がいることに疑問をもち、ジョン・スノウは汚い水を飲むとコレラにかかるのではないかという仮説を立てました。そして実際に汚染した水を飲んでいる家庭のデータを集めたところ、コレラにかかっている家庭と一致したため、行政がこの結果をもとに汚い水を供給している井戸を閉鎖し、コレラが収束したと言われています。

 

コレラの菌が発見されたのはそれから30年後で、原因がわからなくても、解決ができたということになります。正しくデータを集めて正しく分析すれば、ロジックが分からなくても十分な問題解決ができるということが、統計学(疫学)の強力なポイントです。

 

ジョン・スノウは仮説を立ててデータを集めましたが、現代はIT化によってさまざまなデータが溜まっています。それを正しく分析すれば、仮説が十分でなくてもいろんなことが分かります。もちろん医療だけでなくビジネスでもデータは活用できますし、企業の経営判断や、コレラのときのように政治判断にも影響するでしょう。私はこれまでさまざまな企業にコンサルして業績に関わるような分析結果を出してきましたが、今後さらにデータを活用する機会が増えていくのではないでしょうか。アフターコロナ時代でも、データがさらに重要になっていくと思われます。